子宮がん 乳がん検診
- 子宮がん検診
ヒトパピロマウイルスには現在200種類以上の型が見つかっていますが、そのうち16型や18型などが子宮の入り口部分(子宮頸部)に感染して子宮頸がんを発生させます。毎年約9,000人が子宮頸がんを発症して、約2,900人が亡くなっています。以前は毎年検診することが勧められていましたが、原因が分かってからは2年に1回で十分になりました。横浜市在住の方は助成がありますので、それを使って検査が可能です。当院の子宮がん検診は、細胞をしっかり採取できる、ガイドライン推奨のブラシを使用しています。さらに、基本的に液状検体法ですので生理中でも対応可能です。以前のような綿棒による検査では、70%程度しか細胞が適切に採取されていないとの報告がありますが、妊娠中は出血しやすくなるので、ガイドラインに従い綿棒を用いて検査をします。
- 乳がん検診
近年、生涯で乳がんにかかる日本人女性は約9人に1人と増加しています。子宮がんや卵巣がんなどの「婦人科がん」全体の2倍以上(国立がん研究センター統計)にもなりますが、日本人の受診率は諸外国の中でも低いままです。
対策型検診で一般的なマンモグラフィーは乳がんなどに伴う石灰化を見つけることは得意なのですが、若い人や日本人に多い高濃度乳腺の場合にはマンモグラフィーでは見えにくくなるため、乳腺超音波検査が威力を発揮します。現在、厚生労働省によるJ-START研究によれば、マンモグラフィーは77%の乳がんを検出し、超音波検査を一緒に行うと91%の乳がんが発見されたことから、併用検診による死亡率低下の寄与についてのデータを蓄積しているところです。現在のところ理想的な乳がん検診とは、2人の医師によるマンモグラフィーの二重読影と超音波検査による、「総合判定」と言われています。
当クリニックでは遠隔読影を導入して2重読影を行い、総合判定にも対応することができます。さらに、トモシンセシス(3D)対応のマンモグラフィーや、「乳がん」判定に役立つエラストグラフィー機能を搭載した乳腺エコーを備え、病理検査も行っています。また、2Dだけの検査と比べて3Dの併用では浸潤癌が平均41%多く発見されたとの報告があります(JAMA 311:2499-2507, 2014)。当院の機種は3D撮影を追加しても被爆が少ないですし、横浜市の検診(2D画像が横浜市医師会で二重読影されます)の際にオプションで追加することも可能です。なお、当院の放射線技師は検診マンモグラフィー撮影認定を保有しており、資格を持った超音波技師も在籍しています。
2019年度から、横浜市の乳がん検診では触診の有無を選択できるようになりました。触診を希望されなければ女性スタッフのみの検査になります(触診は女性スタッフと共に院長が対応致します)。