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おでき

 外陰部や肛門の周囲、鼠径部に触れる「おでき」には様々なものがあります。痛みがあったり、潰瘍や浸出液がみられたりする「おでき」もあります。代表的なものを以下に紹介します。

  • バルトリン嚢胞、バルトリン膿瘍:バルトリン腺は性交時に粘液を分泌する組織ですが、慢性的な炎症でバルトリン腺の出口がふさがってしまうと嚢胞ができます。感染すると膿瘍になり、痛みを伴います。抗生剤を処方したり、開放する処置を行います。
  • 尖圭コンジローマ:ヒトパピローマウイルス(HPV)のうち、6型や11型などが、主に性交渉によって皮膚や粘膜に感染して、鶏のトサカやカリフラワー状のイボを形成したものです。治療は軟膏、液体窒素による凍結療法、電気メスやレーザーによる焼灼や蒸散、外科的切除です。
  • 毛のう炎:毛穴に溜まった分泌物に細菌が感染した状態です。自然に治ることが多いのですが、抗生剤を使うこともあります。
  • 粉瘤:本来皮膚から落ちていく垢や皮脂が袋状にたまっていく状態で、感染することもあります。袋状のものを取り除かなければ完治しませんが、症状がなければ経過観察されることが多いです。
  • 性器ヘルペス:ヘルペスウイルスが感染すると、皮膚の神経を伝わって神経節に留まります。免疫力が低下すると再活性化され、神経を伝わって外陰部に出てきて潰瘍を作ります。初めて感染した場合は痛みで排尿や排便、歩行も困難になることもあります。発熱や鼠径部のリンパ節が腫れることもあります。水疱が出現して潰瘍になることが多く、しばしば左右対称にできます。抗ウイルス薬で治療しますが、最近は水疱ができて痛くなる前(発症から6時間以内のムズムズした初期症状)の状態で2回だけ内服する治療法もあります。
  • 梅毒:性感染症の一種で、まずは指頭大の潰瘍と鼠径リンパ節の腫れが見られます。その後、扁平コンジローマ(尖圭コンジローマとは別のものです)と呼ばれる無痛性のおできが広がり、表面に潰瘍ができます。抗生剤で完治するので、早めの治療が大切です。
  • 骨盤臓器脱(性器脱):主に出産によって骨盤底を支えている筋肉や靭帯などが弱くなることが原因で、子宮が下垂して腟から出てきたり、腟粘膜を介して膀胱や直腸が腟内に膨隆してくることがあります。
  • 外陰癌:かゆみと腫瘤感で発覚することが多いと言われていますが、頻度は低いです。
  • ベーチェット病:口腔内の潰瘍、皮膚の硬結を伴う皮疹、外陰部の潰瘍、両目のいろいろな症状、などが特徴です。

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