マンモグラフィーと乳腺超音波検査の併用検診の効果
40~49才の女性を対象とした日本の乳がん検診において、マンモグラフィーに加えて乳腺超音波検査の効果を検討した大規模ランダム化試験(J-START)の長期追跡結果が報告されました(Lancet.2026;407:784-793)。
日本では40~49才女性の約60~70%が高濃度乳腺であると報告されています。マンモグラフィーは乳がん死亡率(検出率ではないので結果がでるまで時間がかかります)を低下させることが現時点で証明されている唯一の検診法(現在乳腺超音波検査においても調査進行中)ですが、乳腺濃度が高い場合にはマンモグラフィーでは十分な検診精度が得られません。
これまでの複数の臨床試験においても、超音波検査を併用することで検診感度および乳がん検出率が向上することが報告されており、特に早期乳がんの検出頻度が高く(進行していないので治療がより楽)、検診後の次の検診で見つかる乳がんも少ないことが示されています。
今回の報告によると、2007年8月2日から2024年10月4日までの15年以上にわたり、72,661例の無症候女性(40~49才)を追跡調査しており、マンモグラフィーと超音波検査を併用する群(介入群:36,723例)と、マンモグラフィー単独群(対照群:35,938例)において、初回と2年後の検診をうけた後、ステージ2以上の進行乳がんの累積発生率を評価しています。最長16年間で、介入群では894例(進行がんは234例:26%)、対照群では843例(進行がんは277例:33%)の乳がんが検出されました。両群の差は約4年後に出現して、8年まで拡大した後は安定していました。つまり、マンモグラフィーと超音波検査を併用することで、最大8年間にわたり進行乳がんの発生率が有意に低下することになります。
この結果は、日本人のような乳腺濃度の高い集団において、40~49才女性を対象にした乳がん検診では、マンモグラフィーと超音波検査を併用することが乳がんの早期発見に有効な戦略となる可能性を示唆しています。
