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国際的な合意による新しいPCOSの名称(PMOS)

[2026.06.30]

以前の論文や教科書に載っていた多嚢胞性卵巣症候群(polycystic ovary syndrome:PCOS)のイメージは、肥満傾向で多毛、といったものでしたが、日本人においてはそれほど多くはありません。実際、日本での臨床では海外の定義とのずれがあり、2024年に日本産科婦人科学会で①月経周期異常、②多嚢胞卵巣(超音波検査)またはAMH高値、③アンドロゲン過剰症またはLH高値のすべてを満たすもの、と定義が変更されました。どうやら海外でも同様に、実臨床との乖離が問題になっていたようで、今回ついに国際的な合意による新しいPCOSの名称が提言されました(Lancet.2026:S0140-6736(26)00717-8)。
多嚢胞性卵巣症候群という名称は、「病的な卵巣嚢胞」を示唆しているという点で不正確であり、多様な内分泌・代謝的特徴の存在を見えにくくしており、診断が遅れたり、対応のばらつきや差別・偏見につながるなどの意見がありました。主要な学術団体、臨床団体、患者団体など56団体が関与して、世界各地域の患者および多職種医療者14,360人からの反復的な回答を得て、新しい名称が採用されました。疾患の多系統にわたる病態生理を反映する用語として、多内分泌代謝性卵巣症候群(polyendocrine metabolic ovarian syndrome:PMOS)となりました。「嚢胞」を除外して、内分泌・代謝、および卵巣機能障害を反映することで、名称の正確性が向上しているようです。

これまでの国際ガイドラインでは、①稀発排卵または無排卵、②臨床的または生化学的アンドロゲン過剰症、③超音波検査における多嚢胞性卵巣またはAMH高値、の少なくとも2項目を満たす場合にPCOSと診断され、女性の8人に1人に認められます。長らく婦人科疾患または卵巣疾患と考えられていましたが、最近はインスリン、アンドロゲン、神経内分泌ホルモンおよび卵巣ホルモンに関わる内分泌異常を基盤とする疾患であることが分かっています。臨床像も、代謝、生殖、心理、皮膚に関わる幅広い特徴が含まれ、PCOSという名称はこの幅広い臨床像を反映していないことが長い間認識されていました。今後、3年をかけて新しい名称に移行していくことが目標のようです。

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