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妊娠中の業務と早産のリスク

[2020.06.16]

これまで妊娠中は、ある程度からだを動かしていたほうがよいことが指摘されていました。切迫流産や切迫早産の場合は別ですが、じっとしている妊婦さんと定期的に運動(業務)をする妊婦さんを比較した研究では、運動をしている方が出産後の赤ちゃんの経過も含めて妊娠・分娩経過がよかったことが報告されています。
ただ、どれ位の負荷までなら大丈夫なのかは分かっていませんでした。85万人以上の妊婦さんを調査した報告(AJOG 2020:p224-238)があり、それによると、11kg以上の重い荷物や1日合計100kg以上のものを持ち上げるような業務では、流産や早産のオッズ比が1.3倍になるとのことでした。また、長時間の起立の状態は早産リスクを10%増やすという結果でした。
とはいえ、日本で上記の負荷がかかっている妊婦さんがいたとしても、実際に早産になってしまう人数が大幅に増えるかどうかは何とも言えません。日本の妊婦健診では定期的に受診をすることになっていますので、その際に症状があれば比較的早く対応することができるからです。日本の切迫早産の治療は過剰だという意見もあるようですが、早産率は海外に比べて1%程度低く、毎年100万人出生するとなると、約1万人の早産を予防できているとも考えられます。母子手帳のシステムを含めて、日本の周産期医療は誇れるものだと思います。

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