義理の母がときどき、亜麻仁油は健康によいと送ってくれます。どのようによいのか気になっていたところ、妊娠との関連についての論文がありましたので紹介します。
マサチューセッツ総合病院での前向きコホート研究なのですが、131項目の食事についての質問票をもとに、オメガ3脂肪酸(およびその含有量が豊富な食品)の摂取量と体外受精の成績や精液の質の関係を調査したものです(AJOG.2022;227:246.e1-246.e11)。主要評価項目は着床率、臨床的な妊娠率、および生児出生率で、副次評価項目に精液所見がありました。女性において、ドコサヘキサエン酸(DHA)とエイコサペンタエン酸(EPA)の摂取量は、一番興味がある生児出産と正の相関がありました。男性では、オメガ3脂肪酸の摂取量と精子数、濃度、運動率とは正の相関があったものの、生殖補助医療の成績とは無関係でした。これは顕微授精の技術の賜物だと思いますが、もしかしたら自然妊娠においては影響があるかもしれません。
なお、オメガ3脂肪酸は体内で作ることができない必須脂肪酸のひとつで、α-リノレン酸が代表的です。α-リノレン酸はえごま油や亜麻仁油に多く含まれ、体内に入ったあとEPAやDHAになります。EPAやDHAは青魚に多く含まれます。