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帯状疱疹の話題

[2020.11.30]

水痘が流行すると帯状疱疹の発症率が下がることが報告されています。また、高齢者では水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)に対する免疫が低下するため、発症率が上昇すると考えられています。日本では2014年10月から水痘ワクチンの子供への定期接種が開始され、水痘患者(小児)自体が少なくなり、ウイルスに接触する機会が減ったため免疫賦活効果が得られず、20~40歳台の若年層での発症が著しく増えているようです。ウイルス(VZV)に対する免疫が低下すれば、発症率が上昇するのは必然でしょう。

また、帯状疱疹の治療薬に1日1回の内服で効果がある薬が出てきましたが、内服する時間は朝がよいのでは?と考えられています。これは、近縁のヘルペスウイルスのDNA複製(分裂・増殖)が夕方から夜にかけてピーク(日中の約10倍)になる(PNAS. 2016;vol.113:10085-10090)ことから、その時間帯に病巣に薬が浸透する時間を逆算しているからです。確かに、子供たちが夕方から発熱してくることが多いのは、同様のメカニズムなのかもしれません。

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