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精子のHPV感染と体外受精の成績

[2020.06.19]

ヒトパピローマウイルス(HPV)は現在180種類以上の型が見つかっていますが、そのうち16型や18型などが子宮の入り口部分(子宮頸部)に感染すると子宮頸がんを発生させることが分かっています。日本では毎年、約10,000人が子宮頸がんを発症して、約2,800人が亡くなっています。また、手足にできることが多いイボ(尋常性疣贅)は子供にもよく見られ、これはHPVの2型や27型などが感染したものです。6型や11型などが外陰部の皮膚や粘膜に感染すると、鶏のトサカやカリフラワー状のイボ(尖圭コンジローマ)になります。
ところで、精子がHPVに感染している状況で体外受精をした場合は、妊娠率や流産率が悪くなるようです(Fertil Steril.2020:p955-969)。この研究は系統的レビューおよびメタアナリシスという手法で行っていますので、それなりに説得力のあるものですが、診療ガイドラインに含めるためにはもっと大規模な臨床研究が必要とのことです。ウイルス感染の場合は、基本的にからだの中に抗体ができてじきに排除されていきますので、現段階では精子に感染しているかどうかを検査することはありません。

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