メニュー

若年者における卵管切除の卵巣がん抑制効果は

[2021.05.30]

卵管切除をしておくと卵巣がんの発生が低下するというデータに基づき、閉経後の卵巣のう腫などの良性疾患の手術の際に、一緒に卵管を切除しておくことがあります。とはいえ、これまで卵管切除後にどの位の期間の経過で卵巣がんの発生抑制効果が出てくるか、という情報はないようです。
オランダの研究報告で、いわゆる子宮外妊娠や卵管留水腫で卵管切除を受けた約1.9万人の若い女性が、その後に卵巣がんに罹患する頻度を解析していました(Hum Reprod.2021;36:211-218)。卵管摘出後の卵巣がん発生率は、10万人当たり1年間に5.4であり、コントロール群の7.1に比べると少ないものの、有意な低下ではありませんでした(p=0.34)。また、手術後4年~、8年~、12年~、16年以上の追跡期間に分けてみると、コントロール群に比べて8年目以降12年目未満で最も発生率の差がありました(p=0.08)。
子宮外妊娠や卵管留水腫による卵管切除で卵巣がんのリスクは下がる傾向にあるものの、明らかに低下するわけではないという結果でした。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME