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Kissチョコが名前の由来であるホルモンの話題

[2022.11.30]

銀紙に包まれたひと口サイズのスライムみたいな形をしたチョコレートと言えば、Kissチョコですが、この独特な風味と味わいのミルクチョコレートが名前の由来となった遺伝子があります。1996年にその遺伝子をクローニングしたペンシルベニア州立大学が所在する場所に、Kissチョコで有名なハーシー社があったからだそうです。その後、このKiss1遺伝子からできるペプチドが発見され、キスペプチンと呼ばれるようになりました。このキスペプチンが生殖と関係することが明らかになったのは、私が専門医になる前の2003年のことで、変わった名前のホルモンが出てきたなと思ったことを覚えています。
さて、このキスペプチンは思春期が発来するメカニズムや視床下部性の無月経と関係していることが分かってきました。また、脂肪細胞で作られる食欲抑制因子であるレプチンと、空腹時に胃で作られる摂食促進因子であるグレリンが、キスペプチンを産生する神経細胞に影響を及ぼすことが明らかになっています。たとえば、過剰なダイエットによってグレリンが胃から分泌されることによって、キスペプチンの発現が抑制されると、性腺刺激ホルモンの分泌が減少するので月経異常がおこります。また、体脂肪が少なくなってもレプチンの分泌が低下することで、無排卵や無月経になることがあります。ちなみに、レプチンは1994年に発見され、当初は肥満治療への応用が期待されましたが、肥満の方はレプチン抵抗性があることが分かり、現在は脂肪萎縮症に伴う糖尿病や脂質代謝異常の改善のために保険適応となっています。グレリンは1999年に発見され、食欲不振を伴う体重減少を愁訴とするがん悪液質の治療に応用されています。

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