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女性の健康

女性の健康は大きく分けて、思春期、生殖期、閉経移行期、閉経後で考えます。

<思春期>
 思春期に多い相談は月経異常です。日本では満18歳を超えても初経が起こらない場合を原発性無月経と定義されていますが、最近は海外と同様に満15歳を基準に介入することが多いです。というのは、女性ホルモンが低いままだと、本来到達するはずの最大骨量に至らずに、将来骨粗鬆症になる可能性が高くなるからです。また、染色体異常や月経血の流出障害があることもあります。続発性無月経(月経が3か月以上停止)の原因には、過度のダイエット、過剰な運動、ストレスなどがあります。無月経までは至らない場合は稀発月経(月経周期が39日以上、3ヵ月未満)といいますが、前述の原因以外に多嚢胞性卵巣症候群も原因の一つです。なお、14歳になっても乳房発育や陰毛発育がない(第2次性徴がない)場合は、内分泌の異常が考えられます。大学病院などで、専門の医師の診察が必要です。

 思春期の女性で月経困難症(生理痛)がひどい場合、約75%に子宮内膜症性病変があったという報告もありますので、思春期から治療(将来妊娠しづらくならないように病変の進行を予防すること)を開始する場合も増えてきました。鎮痛剤が効かずに学校を休むほどであれば、子宮内膜症の可能性が高く、その場合は治療によって生理痛が激減します。

<生殖期>
 生殖期とは文字通り、妊娠・出産が可能な時期ですが、やはり月経が大きく影響します。月経前症候群(PMS)、過多月経、月経困難症(生理痛)不妊症などが関係しており、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症などもよく見つかります。

 そもそも月経は妊娠することが前提ですが、かつて10人近く出産していた時代の生涯の月経数は妊娠・授乳期間があるので50回程度だったのに対して、現代は450回程度で約9倍という報告もあり、妊娠する必要がないのであれば多すぎるという意見もあります。実際、生理痛がひどい場合、海外では消退出血(月経みたいなもの)を年1回にする治療法もあります。月経は月に1回あるものだという思い込み(?)から解放されつつあります。現在、日本では従来の1ヵ月周期にする薬以外に、4ヵ月周期と3ヵ月周期に月経をコントロールする薬がでています。

 月経が関与しない病気には性感染症や子宮頸がんなどがあります。若い世代には以前からクラミジア感染がまん延していますが、症状がでないことも多く、感染が多い年齢層では10人に1~3人が感染しているとも言われています。放置すると卵管が癒着・閉塞することで将来の不妊の原因となります。また、最近はもともと頻度が低かった梅毒が増加しており、胎児期に感染した赤ちゃんの報告数が増えています。避妊具の使用で性感染症はほぼ予防できるので、きちんと使用して頂きたいものです。

<閉経移行期>
 月経が短縮したりバラバラになったりする時期から、閉経までの期間です。閉経は後になってみてからでないと分かりませんが、閉経の前後5年間を更年期と呼び、様々な症状で日常生活に支障をきたした状態を更年期障害といいます。また、骨量も減少をし始めることが分かっています。なお、乳がんの発症は、40台後半と60才台がピークになります。

<閉経後>
 女性ホルモンが少ない状態が続くと、高脂血症や動脈硬化などの生活習慣病、骨粗鬆症や認知症などのリスクが高まると言われています。また、萎縮性腟炎や外陰のかゆみ、性交痛、尿失禁の悩みも増えてきます。漢方やホルモン補充療法などで対応します。

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