ホルモン補充療法に伴う乳がんリスクについて
[2019.08.13]
中用量ピルが長期に使われていた時期のデータから、中用量ピルと乳がんとの関係が明らかになっています。また、最近使用されている低用量ピルにおいて日本人のデータが集積されつつあり、乳がんが増えることはなさそう(発表予定?)とのことですが、とりあえず現在のところ低用量ピルも乳がんのリスクということにしてあります。
とはいえ、ホルモン補充療法で使用される女性ホルモンの量は最終的に低用量ピルよりも少なくなることや、消化器系のがんが減少するため身体全体ではがんが減少することから、ホルモン補充療法によるがんのリスクは恐れるほどではありません。
ホルモン補充療法では子宮内膜のがん化を予防するために黄体ホルモンを併用しますが、子宮体がんを予防する力が強いほど乳がんのリスクが高くなると言われています。最近、強い黄体ホルモンであるレボノルゲストレルによる避妊(子宮内に留置する方法)を約4年間継続している場合、卵巣がんは約半分になったが、乳がんは増えるとはいえないという報告がありました。
更年期障害のある方は、是非、ホルモン補充療法を試してみて頂きたいと思います。