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梅宮アンナさんの発信力

[2025.02.27]

先日、日本産婦人科乳腺医学会の特別企画<パネルディスカッション 患者さんと考えるこれからの乳腺診療>で、乳腺外科の大貫幸二先生、放射線科の久保田一徳先生、産婦人科の苛原稔先生、そして「患者」として梅宮アンナさんが登壇されました。小さな学会の短い時間で終われせるにはもったいない内容で、市民公開講座として開催すべき企画でした。梅宮さん御本人が乳がん治療について積極的に公表されているので記載すると、2023年にもきちんと乳がん検診をうけていましたが、その10カ月後にご自身で乳房の左右差があることに気が付かれ、すぐに受診したところステージ3の進行癌だったそうです。残念ながらマンモグラフィーでは見つかりにくいタイプの乳がんでした。
ご本人は、乳がんになった意味を「自分の体験を話すことで、誰かの力になること」ととらえ、活動を開始されていると伺いました。その際、どのように発信するかをよく考えたそうです。その行動力と社会へのメッセージ発信力は驚くべきものがありました。私は地方で育ちセレブとは無縁だったため、アンナさんのことはあまり存じ上げなかったのですが、今回お話を伺ってみて、ご自分の意見を理路整然と淀みなく話される様子からも、ただのモデルさんではなく、パワフルな「表現者」の姿が本質であることを感じました。
現在日本での乳がん検診の受診率は、自治体や企業の検診と自分で受診するドック検診を含めても約50%程度と言われています。アンナさんは検診に行ってもらうにはどうしたらよいか、次の行動につなげるためにはどうしたらよいか、我々以上に考えて実践して下さっていると感じました。「発見が早ければお金もかからない」こともアピールされていました。また、乳がん治療のおいて、ネットでは標準治療以外の情報が多いため、当たり前に行われている「標準治療」についての情報にたどり着かない可能性も危惧されていらっしゃいました。「標準治療でよかった」と自信をもってすすめていることが印象的でした。

標準治療:専門家が世界中の研究の成果を集めて,有効性と安全性を確認し,現時点で最善の治療として合意した治療。2年に1回、スイスのザンクトガレンにて国際学会が開催されています。

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