アトピー性皮膚炎と外陰部のかゆみ
[2021.03.30]
アトピー性皮膚炎は成人の2.5~9.4%に見られ(Allergol Int 2017 :p230-247)、婦人科には外陰部のかゆみで来院されることがあります。アトピー体質のかた(そうでなくても)は、カンジダ感染症や細菌性腟症で治療をしてもじつはそれがかゆみの原因ではなく、なかなか症状が改善しないことがあり、しばしば皮膚科の先生を紹介させて頂くことがあります。ステロイドが良く効く場合もありますが、ステロイドで逆にかゆくなる場合もあるので注意が必要です。
最近、アトピー性皮膚炎の原因はIL-4, IL-13, IL-31などのサイトカインが過剰にできることであることが明らかになり、これを抑え込む新しい薬剤が開発されています。
例えば、2020年に世界で初めて日本で認可されたデルゴシチニブ軟膏は、JAK阻害薬と呼ばれるものです。海外ではPDE4阻害薬も臨床応用されており、それ以外でもAhR作動薬といったこれまでとは違う機序の薬剤が開発されています。
以前の同僚が「小児期ならアトピーは完治できる」と豪語(?)していましたが、大人でも完治するようになることを期待しています。