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体外受精は何回まで?

[2024.06.30]

体外受精における胚移植で着床不全となる一般的な原因は、いわゆる染色体異常とされています。染色体が正常であれば、2021年に報告された論文によると、連続した3回の正常な胚盤胞移植によって、累積着床継続率と生児出産率はそれぞれ95.2%, 92.6%と報告されています。
今回、さらに4回、5回目の妊娠率と出産率が検討されていました(Hum Reprod.2024;36:974-980)。5回の累積生児出産率は98.1%であり、原因不明の反復着床不全の有病率は2%未満であるとのことです。なお、4回目の妊娠率は51.4%、出産率は40%、5回目はそれぞれ65.2%、53.3%でした。
最近の反復着床不全の定義(ESHRE 2023)は、PGT-Aで直接染色体を判定するか、年齢による異数性の予想確率を計算することで移植胚の正倍数性を評価した情報を用いて判断するようです。日本では基本的に着床前の染色体検査はできませんので、「見た目」が良好な胚を4個以上かつ3回以上移植しても妊娠しない場合を反復着床不全としています。
受精卵の「見た目」や年齢による妊娠率を報告している施設が多いのですが、例えばあるクリニックのサイトを見ると、30歳までなら1回の胚移植で妊娠率は約49%、年齢が進むにつれて低下して、40-42歳では約26%、43歳以上は約18%です。やはり年齢により染色体の異常が増えてくることが要因で妊娠率が下がるのでしょう。
染色体の異常がなければ5回の体外受精で98%出産するならば、いわゆる反復着床不全の場合はPGT-Aをやりたくなる気持ちが分かる気がします。

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