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乳腺・卵巣・前立腺・膵臓以外にBRCA遺伝子変異でがんになりやすい臓器

[2022.09.30]

がんは遺伝子が変化した結果引き起こされる病気ですが、その変化(変異)は生まれた後で起きる場合と、生まれながらに変異している場合があります。後者はすべての腫瘍の5~10%程度で、遺伝性腫瘍といいます。全身の細胞に遺伝子の変異があるので、どの臓器でも同じように発がんすると思われるかもしれませんが、がんになりやすい臓器にはそれぞれの遺伝子変異によって特徴があります。例えば、BRCAの変異を持っている人は乳がん・卵巣がん・前立腺がん・膵がんになりやすいことが知られていますが、海外のデータでは400~500人に1人(日本人での頻度は不明)に変異があります。

日本人集団における14種のがんについて、がん患者約63828人とその対照群37086人を対象として、がん種横断的ゲノム解析を行った結果が報告されていました(JAMA oncology.2022;8:871-878)。BRCA遺伝子は既知の4がん種に加えて、胃がん、食道がん、胆道がんの疾患リスクを高めるとのことです。とはいえ、BRCA1の変異をもっていると72.5%の女性が85歳までに乳がんになるのに対して、胆道がんの累積罹患率は11.2%です。BRCA2の場合は58.3%の女性が乳がんになりますが、食道がんは5.2%です。日本医療研究開発機構(AMED)に分かりやすい図がありましたので載せてみすが、一見すると胃がん・食道がん・胆道がんは乳がんや卵巣がんと同じ位高率に発がんするように見えますが、縦軸の数字をみてみるとそれほどでもありません。分かりやすくそれぞれの臓器での罹患リスクを示したものも載せておきます。

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