月経開始は木曜日と金曜日に多い?
これまでの研究で、月の満ち欠けによって月経開始日の発生頻度が異なることが報告されていますが、月経周期に対する月の影響については、議論が続いています。また、なかには週単位での生体リズムが存在する可能性を示唆する論文もいくつかあります。ただし、ほとんどの研究は十分なデータに基づいていないため、研究結果は否定的に扱われていました。たとえば、満月が近づくにつれて月経開始の発生頻度が高くなるという報告もあれば、別の結果が報告されたりしています。
現在では大規模なデータベースが利用できるため、膨大な数のデータを解析できるようになっています。今回の論文では、スマートフォンアプリに記録された約3万6千人の31万回以上の月経開始時期を分析していました(Fertil Steril.2024;121:651-659)。研究目的は、月経周期が7日間の周期的リズムを持つかどうか、月の満ち欠け(平均29.5日)の周期と関連するかどうかを検討することです。3年間の前向き調査で、月経の開始が実際の生活環境でデータが収集されました。対象は18~40歳のヨーロッパと北米の女性でした。
大規模なデータが解析された結果、月経には7日間の周期リズムが観察され、木曜日と金曜日に月経開始のピークがありました。このリズムは、全ての年齢層、全ての季節で観察されています。この特徴は、月経周期が27日から29日の場合に顕著でした。月の満ち欠けによるリズムも統計的には有意差はありましたが、7日間の周期リズムほどは明確ではなく、季節によって月経開始のピークは異なっていました。