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Y染色体を喪失した細胞の出現と病気の関係

[2022.04.30]

日本生殖医学会の学術誌は今年から年1回の発行になり、昨年にはインパクトファクター 3.239が付与され、国際的な英文雑誌として認知されるようになっています。
今回は、深見先生と宮戸先生によるミニレビューが興味深かったので紹介したいと思います。

以前からY染色体を喪失した細胞(主に血液細胞)がしばしば見られることが知られており、これを「Y染色体を喪失した細胞とY染色体を維持した細胞がモザイクとなった状態(mosaic loss of chromosome Y:mLOY)といいます。最も頻度の高い後天性の染色体変化だそうです。そして、mLOYは加齢や喫煙に強く相関しており、70歳の男性においては約40%に認めるとのことです。高齢男性の早期死亡、がんやアルツハイマー病の発症と関連があります。また、若年男性や胎児でもまれにmLOYが発生することがあり、生殖年齢男性の不妊、男児の発育障害と関連するようです。今後の研究に期待がかかります。

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