子宮内膜症と子宮腺筋症の併発
子宮内膜症は子宮腺筋症と併発することが多く、いずれも不妊症との関連が示唆されています。
今回は、子宮内膜症がある女性が体外受精を受ける場合、子宮腺筋症の併発が生児出産率にあたえる影響について報告されていたので紹介します(Hum Reprod.2022;37:1470-1479)。
体外受精の前に精密検査で骨盤MRI検査を行い、子宮内膜症と診断された202人が観察研究の対象とされました。深部浸潤性の子宮内膜症が90.1%(182/202人)、子宮腺筋症が71.8%(145/202人)に確認されています。体外受精が4周期完了するまで、出産するまで、もしくは体外受精4周期完了前に治療を中止するまでの期間において観察したところ、累積生児出産率は57.4%(116/202人)でした。出産した群では、出産しなかった群と比べて有意に腺筋症は少なかった(76/116(65.5%)対69/86(80.2%), p=0.022)という結果でした。
子宮内膜症が集まる施設での研究だと、より重症の子宮内膜症や子宮腺筋症の女性が集まっている可能性もあり、一般集団とは異なるかもしれませんが、子宮内膜症と子宮腺筋症がしばしば合併することを再確認できました。