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妊娠中に必要なカルシウムとビタミンDの量

[2021.06.28]

2021年6月の日産婦医会報に、藤田医科大学の四馬田恵先生(内分泌内科)が産婦人科領域におけるビタミンD摂取の効用について寄稿されていました。今回はその抜粋です。
ビタミンDはカルシウムを吸収して骨の成長・維持をするために必要であるだけではなく、I型糖尿病、多発性硬化症、統合失調症、発癌リスク、易感染症、妊娠高血圧腎症、切迫早産などとの関連が報告されているようです。
ビタミンDは食事からの摂取、あるいは紫外線の作用で皮膚で合成された後、肝臓と腎臓で代謝された後、腸管と腎臓からカルシウムが吸収されるように作用します。ガイドラインによると、推奨されるビタミンDの摂取量は1日10~20μgで、カルシウムは550~650mgだそうです。ところが、20歳台の平均カルシウム摂取量は1日約400mgとのことで、妊娠中に足りないカルシウムは、妊婦自身の骨から補われており、実際に骨粗鬆症になる妊婦もいます。
現在のところ、妊娠中のビタミンDやカルシウムが足りているかどうかの評価や指導は確立されていませんので、各自で気を付けるしかありません。
なお、ビタミンDは魚類に多く含まれており、例えばイワシの丸干し(1尾30g)には15μg含まれています。また、カルシウムが多く含まれていて吸収率が高いのは、牛乳や乳製品です。牛乳200mlにはカルシウムが220mg含まれています。

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