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流産を予防する生活習慣と治療 

[2024.01.31]

流産を予防するための生活習慣や治療についてのレビューがあったので紹介します(Fertil Steril.2023;120:951-954)。最近のシステマティックレビューやメタアナリシスによると、果物を多く摂取することで流産のオッズが相対的に40%低下しますが、穀物・乳製品・海産物・卵の摂取量が多い場合は低下率が少なかったようです。また、妊娠の少なくとも3か月前から葉酸を400μg摂取することで、二分脊椎のリスクを減らすことができるのは有名な話です。ビタミンD欠乏と流産との関係を示唆するエビデンスがあるものの、妊娠前の治療で流産を予防するかどうかのデータは不足しているようです。
ところで、カフェインは1日あたり150mgを超えると流産リスクが高まることが明らかになっていますが、さまざまな食品に含まれているので、逆にその量までは安全であることを知らせるべきでしょう。「五訂日本食品標準成分表」によると、飲料100ml当りに含まれるカフェイン量は、レギュラーコーヒー浸出液は約60mg(カップ1杯150mlなら約90mg)、インスタントコーヒー約60mg、煎茶約20mg、玉露 約160mg、紅茶 約30mgです。
なお、低体重(BMI 18.5未満)や過体重(BMI 25以上)、能動喫煙および受動喫煙、飲酒は流産との関係があります。不十分な睡眠(妊娠初期の夜勤は最小限にして、週1回にとどめるべきである)も流産と関係があります。
治療法においては、流産歴を有する妊婦で腟出血がある場合にはプロゲステロン投与が推奨されています。潜在性甲状腺機能低下症に対する治療で流産率は低下(生児出産に関するデータは結論が出ていない)し、2020年に発表されたコクランレビューによると、抗リン脂質症候群で反復流産の既往がある場合にはアスピリンとヘパリンの併用が推奨されています。

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