経口避妊薬による実際の効果
経口避妊薬による有効率や失敗率は、これまで必ずしも実際の使用状況を反映しているわけではありませんでしたが、今回、実際の内服状況による妊娠予防効果が報告されていました(Obstet Gynecol.2023;141:989-994)。
この論文では、1周期当たりの服用しなかった錠剤の数と妊娠との関係が評価されています。2,837人において、ピル以外の避妊法を使用しない性行為が26,455周期がありましたが、31件の妊娠が発生しました。全てのピルを内服していた場合、服用しなかった錠数が1錠、2錠、それ以上の場合のそれぞれの妊娠率は、0.09%、0.25%、0.83%、1.6%でした。2,216周期で1錠以上の内服忘れがありましたが、内服し忘れた場合の指示に従った場合は、妊娠の発生はありませんでした。また、内服忘れに伴う妊娠は、全てはじめの3周期で発生していました。
避妊効果の指標となるのは一般的にはパール指数(100人の女性がその避妊方法を1年間続けたときに妊娠する数の目安)ですが、経口避妊薬のパール指数は0.3~9です。きちんと内服している場合の1周期あたりの妊娠率が0.09%というデータを見ると、臨床現場での実際の感覚にあっている感じがしました。